雪が降ると、部屋にいる時間が多くなります。
久しぶりにオーディオのことを書こうかと。
僕は音楽はもっぱらCDで聴いてきました。子供の頃、実家にはレコードを聴くためのオーディオがありましたが、アナログ再生に特段の思い入れも関心もなく。
ここ10年ぐらいで言うと、CDも売っているお店が減り、音楽はダウンロードして聴く時代が来ましたが、それは視聴環境の変化ではなくて、音楽ビジネスの都合のお話に思えて、静観していた記憶があります。
ここ数年はそこから一歩進んで、ストリーミングで聴く時代がやってきているところで。
これは大きな変化ですよね。CDを探す手間もいらないし、聴き放題ですから「この音楽にお金を払って聴く」と言う心理的ハードルを超えなくても、普段聴かないような音楽をつまみ食いできるようにもなりました。
僕はApple Musicの会員になっているんですが、今ではCDプレーヤーは飾りになりつつあってですね(笑
今、セッティングしているネットワークオーディオのお話と、ここに至るまでに感じてきたことを書いてみます。
あ、私のはすごいシステムでも、究極の環境でもないです。そこを極めたい人には読んでも得られるものはありません。
これから、ネットで良い音楽を聴きたい人のご参考となれば、と言うことで。
1.CDをたくさん持っているオーディオノートは、PCオーディオから始めるのが良いかと
CD資産がたくさんあってそれを良いオーディオで聴いてきた人が、ネットワークオーディオの移行にあたってネックに感じるのは音質低下の可能性だろうと思います。聴き放題のストリーミングサービスは、現状ビットレートで言うと256kbps〜320kbpsといったところが主で、これはCDのデータ量の20%以下にファイルを圧縮していると言うことになります。CDに記録されている以上のニュアンスまで引き出そうとシノギを削ってきた人には、気持ちの上でクリアできないかもしれませんが、正直、普通の耳のレベルではほとんどわからない差だと思います(差があればの話ですが)。
ただ、そこのところはご自分で一度体験してみるべきだと思うんですよね。私もそうだったのでよくわかります。
そこでお勧めするのが、PCにCDデータを取り込んでファイルを再生して聴く「リッピング」です。
リッピングはApple Music等の音楽ファイル管理ソフトを使いながら、PCのストレージにデータを蓄えて聴くのですが、多くのソフトで圧縮率を選択して取り込めます。そこで、音質劣化が気になる人は「無圧縮」を選択できます。
僕も以前はそうしていました。
オーディオへの接続は、PC → DAコンバータ(ネットワークオーディオプレーヤー等) → プリメインアンプ → スピーカー
となり、PCとDAコンバーターをUSBケーブルで結べば、従来のCDプレーヤーからの置き換え感覚でいけます。
また、SSDを搭載したPCで聴くと機器から出るノイズは限りなく無音化できるメリットもあります。その際には、CPU等の冷却ファンの仕様にも注意して機器選びをすると良いと思います。私の感覚では、Macは静かでいいです。
また、DAコンバーターについては、プリメインアンプに内蔵されているタイプのものがあります。
シンプルに機器を組みたいならそうした機器にしてしまうのもお勧めです。DAコンバーターチップの性能もマニアが気にするところですが、投資に比例して効果が得られるところとは思えません。ちなみに、僕のアンプにはDAコンバーターが内蔵されています。以前は、これにUSBケーブルを直結して聴いていました。
2.PCオーディオで脱CDした人が次に考えるであろうこと
PCオーディオで音楽を聴き始めると、すでにCDには戻れなくなっていると思います(笑
その時点で考えていることは、この快適な環境をいかに向上させていけるか、と言うことかと。
CDを交換する手間がなくなると、今までよりも一日でいろんな曲を聴いていることに気づくと思います。環境としてすでに理想的です。
しかし、不満な点が気になってきます。例えば、PCにケーブルがついていることでリスニング距離が固定されてしまうこと、また、無圧縮でリッピングを続けることで、PCのSSD空き容量が足りなくなってくる人もいるはずです。
容量不足の手っ取り早い対策は、USBの外付けSSDを利用することなのですが、そうすると今度はPCにケーブルの他にSSDの筐体までくっつくこととなり、パソコン周りも鬱陶しくなってきたりします。
それでも、ここでOKと言う人もいるでしょう、そう言う人はPCオーディオで聴いていくこともお勧めです。
さらにネットワークオーディオに移行する為には、投資も、ネットワークについての勉強も、トラブル対応の最低限の知識も必要となりますから。
さらに、ここでストリーミング再生でもっと多くの音楽を聴けたらと思う人にお勧めするのは、「試しにお気に入りのCDのビットレートを下げて聴いてみる」と言うことです。一度削除して、320kbpsでリッピングしなおしてください。それをしばらく聴いてみましょう。
どうですか?その音は本当にストレスになるような悪い音でしょうか?
3.Apple Musicを使って、非圧縮音源とストリーミング音源を混在で聴いてみる
他は詳しくないのですが、Apple Musicの場合、2の環境からストリーミングサービスを利用した場合、高音質のリッピングをした音楽の再生は元のファイルから、もともと音源のデータがないものはストリーミング(オンラインのデータファイル再生)で聴くことになります。
CDで持っている音楽は、みなさん思い入れのあるものだと思いますので、ファイルという資産を使い続けたらいいと思います。
それはそのままに、加えてストリーミングによる音楽が聴けるようになれば、相当な環境改善ですよね。
月額980円ぐらいかかるのですが、ストリーミングで問題ない人はもうCDにお金を使いませんから、それほど痛い出費でもないはずです。
ここでも、リッピングファイルとストリーミング再生は、違いをたまに意識してみることをお勧めします。
ひょっとしたら、もうそんなことどうでも良くなっている可能性すらあります(笑
4.ネットワークオーディオ機器を導入してみる
ネットワークオーディオなるものが登場して結構経ちます。値段もピンキリですが、これが必要かどうかはこの時点ぐらいで考えてもいいと思います。
ちょっと考えることが増えるのですが、オーディオやPC周りの環境がすっきりしますし、なんと言いますか、スタイリッシュなシステムになります。
僕はmarantzの機器を使っています。
この機器を導入することで、PCとDAコンバーターを直結する呪縛から解放されることになります(笑
Appleが提供しているAirPlay2と言う無線技術が使用できるようになります。
また、Apple Musicは1ライセンスで複数の機器でストリーミングが利用できることから、PCと同様な再生がスマホやiPadでも可能になります。
ここが非常に大きい改善点なのですが、そんなのどうでもいい人は無理に導入することはありません。
この機器はイーサネット接続(有線LAN)と、wi-fi接続を選ぶことができるんですが、理想はイーサネット接続ですね。
wi-fiはどうしても再生が途切れる可能性を排除できませんし、原因の特定は簡単ではないです。私の場合はwi-fiの周波数を2.4GHz帯から5GHz帯に変更後に改善しましたが、そんな苦労はしないに越したことはないですから。
iPadがホームオーディオの入り口になることで、音楽を聴くことがさらに一段階、日常化した気がします。
自分がファイルを持っていない曲を含め、聴きたい曲のアプローチまで数十秒になりました。
そして、私は結局、PCの非圧縮ファイルを削除することにしました。
圧縮ファイルを聴くことに何の不具合もありませんし、多くの音楽データファイルを保有しないといけないプレッシャーって、例えばPCを買い換えるときに大容量のSSDのカスタマイズをしたりといった、縛りとなることが多いと思います。クラウドにあげるのは圧縮音源と変わりませんし、NASを使うのはトラブルにビクビクする生活のような気がします(笑
ストレートにここに辿りつけるならもっと早い話だったのですが、人の話だけで納得しない僕としては必要な道のりだったと思います。
5.ちょうどいいネットワーク機器とは
ここはオーディオ業界の方へのお願いになるかもしれません。
ネットワークオーディオ機器選びで感じたのですが、ちょうどいいものがない感じなんですよね。
ネットワーク機器はPCやスマホの相方であると言う前提にして、もう大幅に機能を落としていいと思います。
具体的には、DAコンバーターとワイアレス技術(Air PlayやBluetooth)、wi-fiの機能に特化して、各種ストリーミングサービスへの対応はPCやスマホに任せてしまう形ですね。その方が製品のライフサイクルも長くなると思います。
もし,新しいものを加えるとすればストレージですね。ネットワークプレーヤー内部にNASのようなSSDのストレージを入れて、ネットワーク上で書き込みをできるようにしてもらえれば。それがあれば,僕も非圧縮ファイルを削除していなかったかもしれません。SSDは増設できるように,追加用のボートも空けておいてもらえると、必要に応じてユーザーがメンテナンスできます。iTunes music fileの保存先に指定できると完璧です。
あと、最後にもう一つだけお願いが。
ここまでオーディオ環境がシンプルになったのですが、リモコンが減りません。
本質的なお話と関係がなくて申し訳ないのですが、どうにかなりませんでしょうか。
ちなみに、一番左のリモコンは学習リモコンなのですが、それでも減らせないものがあります。
赤外線+Bluetooth 対応のスマートリモコンを、オーディオ用に開発していただけませんでしょうか。
iOS のアプリでもいいです。
よろしくお願いします。ぜひ。